それは、2013年2月吉日。
それは、冷たい風吹く都内某所。とあるビルの一室の扉を叩いたことから始まった。
「おはようございます!始めまして!このたび新しく「週刊☆やしマンデー」を担当させていただくことになりまし・・・」
緊張の面持ちでそこまで言いかけて、ふと感じる。
重々しい扉の向こうは、物音ひとつせず人気(ひとけ)もない・・・?
「あの~、すいませ~ん。」何度かノックしてみても人の出てくる気配なし。
朝一で来なさいと言ったのは彼なのに、しっかり者で常識人のイメージの彼が約束をすっぽかして、まさかの不在か?
肩すかしを喰らわされて一気に肩の力が抜け、開くわけないと思いつつドアノブを回す。
ガチャリ。
「え?」開く?いる?
「すみません!おじゃまいたします!おはようございます!」
勢いよく扉を開けると、小さな事務所には誰もいない。ソファーの向こうに机と椅子。その向こうには大きな窓。
やはり誰もいないじゃないか。
何故、開いてるんだ。困ったな・・・!
どうしようかと、開けるでも閉めるでもない扉にもたれて腕組みしかけたその時、大きな音で部屋の電話が鳴り響く。
出るわけない。
出るわけないが、電話の音は響き続ける。
彼からか?!
それならば出ようと机に走り、バタンと扉の閉まる音がするのと同時に電話の音はピタリとやむ。
扉も閉まり、静かな彼の部屋。
初対面の彼の事務所に一人!
開いてるから勝手に入っちゃったし!
連絡しようにもこの事務所の番号しか知らないし!!
あきらめてソファーに腰を下ろす。
わ!座り心地いい!手触りもいい!
と、ソファーをなでたところに、一枚の写真を見つけた。
「あ!」彼だ。彼と、これは・・・

プラモデルの、後ろ姿・・?
そして電話が鳴る。やはり彼からだろう。
「はい」今度はソッコウで出る。
「あ!君か?八嶋です」
いつ聞いても彼の声は聞く者のナカにストンと響く。
「あー、すみません、開いてたもので勝手に入って・・」
「いや、いいんだ。急用で少し出たから」
ほっとしたのか、或いは緊張のせいか、もう間もなくここへ戻るという彼に私はつい、問いかけた。
「あの~、後ろ向きのプラモデルとの写真が落ちてたんですけど、これは?」
「ああ、それは最近通っているお台場でね、」
お台場?
ということはプラモデルではなくて「ガンダムフロント東京」か!
2009年夏、「機動戦士ガンダム」放映30周年を記念してお台場にて開催された「GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト」。
そしてお台場といえば、フジテレビ。
彼は今、ドラマ『dinner』で木村数馬というイタリアンレストランの料理人を演じている。
あのレストラン、とにかくおいしそうなんだ。
「近くに行ったことなかったからコッソリ行ってみた。」
まるで男の子ようにつぶやく彼。
なんとなく、嬉しそうに弾んで聞こえる声。
『denner』では、レストランの料理人達を始めそこに集まる人達の様々なドラマも描かれているうえに、料理シーンだって多く描かれている。
彼、八嶋智人ももちろん、プロの料理人を演じているわけだから、これはさぞかし大忙しな現場だろうに。
「コッソリ行ってみた。」なんて。
すると、おもむろに扉が開き、初対面の私を見つめ朝日に照らされた彼が言う。
「ガンダムは、後ろ姿が良いのです。」
ガンダム。
お台場。
フジテレビ。
次回の『dinner』がどんどん気になる。
八嶋智人がどんどん気になる。
まずは、予告動画も見れちゃう『dinner』HPをチェックだな。
http://www.fujitv.co.jp/dinner/index.html
◇◇この話は一部フィクションです。今回からやしマンデー記者が変わりました。今後ともどうぞよろしく!◇◇




